最近知り合った男性から可愛いって言われたとき、急に辛くなって体を震わせて泣いた。

ずっと好きだった以前の人のことを思い出してしまった。ずっと彼から欲しかった言葉だった。もう遠い記憶なはずなのに。
きっと私は彼と同じようなことをして人を今傷つけようとしているのだと思った。そう思い始めるとぐるぐると考えが止まらなくて、仕事帰り街中を歩き続け、食事もろくに取らない日々が続いた。
気を持たせるようなことをしてはいけない。早めに自分の気持ちを伝えなければ。そんなことを思う自分は真面目すぎるのだろうか。でも軽い言葉で縁を切れる思い切りさができない歳になってしまった。
その男性が好きかどうかなんて分からない。それでも自分の周りから取捨選択する自分がいる。そういう自分も嫌だけれど、うまく人を気持ちを汲み取れない不器用な自分も嫌いだ。
人を愛するのは得意だが、人から好意をもたれると困るタイプなのだろうか。私はまた沢山傷つけて、傷つくのだろうか。怖くてたまらない。
やはり呪いだ。私にとって彼がそうであって、彼にとって思い人がそうなのだろう。